brotherの発音 ── /ˈbrʌðər/ を、日本人の口で出すために。
brotherは、日本人にとって「ブラザー」という3モーラのカタカナ語として定着しており、これが発音矯正の最大の障壁となります。本来は2音節であり、第1音節に強勢を置く必要がありますが、カタカナの癖が抜けないと、各音節が平坦に発音され、リズムが崩れます。特に、日本語のラ行で代用される/r/の音、前で発音してしまう/ʌ/の音、そして/z/や/d/に置き換わりがちな/ð/の音という、3つの難所が連続するため、単なる単語の暗記以上に、口の形と舌の配置を精密に制御する訓練が求められます。単に音を並べるのではなく、舌を奥に引き込み、喉の奥で響かせる感覚を習得することが、ネイティブに近い響きを得るための核心となります。
兄弟, 兄, 弟
I have an older brother who lives in London.
── 私にはロンドンに住んでいる兄がいます。
My brother and I are going to the game tonight.
── 今夜、兄弟で試合を見に行く予定です。
- IPA
- /ˈbrʌðər/
- 音節数
- 2
- 強勢の位置
- 第1音節
01 ── 舌先を弾くラ行音で代用してしまう
日本人は/r/を日本語のラ行のように、舌先を歯茎に弾く音として発音しがちです。しかし、英語の/r/は舌先をどこにも触れさせず、舌全体を奥に引き込んで空間を作る音です。この「舌を引く」感覚が欠如していると、どうしても日本語のラ行の癖が出てしまいます。改善するには、舌先を上あごのどこにも付けない意識を持ち、舌の根元を喉の奥に近づけるようにして音をこもらせる練習が必要です。最初は違和感があるかもしれませんが、舌先を浮かせる感覚を徹底することで、こもった響きが生まれます。
02 ── 有声音のTH(/ð/)が破裂音に変化する
brotherの中間にある/ð/は、日本語には存在しない音であるため、多くの学習者が/z/や/d/で代用してしまいます。これは、上下の歯の間に舌先を軽く挟み、息を漏らしながら声を出すという複雑な動作が、日本語の音韻体系にないためです。/z/のように歯茎に舌を近づけるだけでは、この音特有の摩擦感が再現できません。改善のためには、舌先を歯の裏に当てた状態から、息を止めずに音を出し続ける練習が有効です。/d/のように舌を弾いてしまうと音が途切れるため、あくまで摩擦音として持続させることを意識してください。
03 ── 母音/ʌ/を前で発音し平坦になる
第1音節の/ʌ/は、日本語の「ア」よりも口の奥で響かせる音です。日本人はこの音を口の前方で発音しがちで、結果として平坦で軽い響きになってしまいます。また、後半の/ər/を単なる「アー」と伸ばしてしまうことも、リズムを崩す要因です。/ʌ/を発音する際は、口を大きく開けすぎず、喉の奥を少し広げる感覚を持つことが重要です。また、後半の/ər/は舌を奥に引いたまま音をこもらせるため、日本語の「ー」のように平坦に伸ばすのではなく、舌の緊張を保ったまま音を収束させる意識を持つと、英語らしいリズムに近づきます。
読むだけでは、口の地図は動きません。
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この単語を、マイクに向かって発音してみてください。
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この音は、この章で扱います
第3章「L、R、TH ― 教室では教わらなかった、3つの真実」
読了 約20分
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